マカオ・バイオリン:東洋と西洋の旋律が交差する場所「マカオ」で誕生した
地理的には中国に根ざしながらも、 独自の経済、政治、文化の自治(「一国二制度」)を享受するマカオは、あらゆる高級品にとって比類のない産地であり、展示される舞台となっています。何世紀にもわたり、マカオは広大な中国市場への重要な玄関口であるだけでなく、東洋と西洋の文明間の交流と相互学習の重要な架け橋でもありました。

特に文化芸術の分野において、マカオは、遠く離れた東洋と西洋をしっかりと結びつけ、互いに調和して共存する、揺るぎない絆のような重要な役割を果たしています。
この地に1860年に建てられたドン・ペドロ5世劇場(旧称ピーター5世劇場)は、中国初の西洋式劇場として完成し、東西間の音楽と芸術の交流に新たな章を開きました。数え切れないほどのコンサート、キャバレー、そしてオーケストラの演奏がここで行われてきました。ここは文化の衝突と融合を目の当たりにしただけでなく、マカオの舞台芸術の発展を象徴する歴史的な縮図ともなりました。1世紀にわたる紆余曲折を経て、ドン・ペドロ5世劇場は現在、ユネスコ世界文化遺産「マカオ歴史地区」の重要な一部となっています。かつてポルトガル人がこの地で過ごした余暇と娯楽の記憶を今なお伝え、優雅な芸術の殿堂としての役割を担い続けています。マカオにおいて、独特の特色と歴史的遺産を持つ演奏会場として、今もなおその名を馳せています。
歴史の響きと文化の香りが漂うこの地で、20世紀中国で最も傑出した音楽家の一人、冼星海(Xian Xinghai 1905-1945)が生まれました。彼はマカオと深い繋がりを持っています。この「鏡海蓮船」に抱かれ、母なるマカオの温もりと滋養を吸収し、深い愛情を胸に世界へと旅立ったのです。冼星海(Xian Xinghai)の生涯は、たゆまぬ探求と研鑽の日々でした。わずか40年の間に、数々の不朽の名曲を残しました。彼は特にバイオリンに深い愛情を抱いていました。

バイオリンは、イタリア人宣教師マッテオ・リッチ( Matteo Ricci )によってマカオ経由で中国にもたらされた可能性もあり(明朝萬曆年間1573-1620)、東西音楽芸術の融合を示す重要な証人となりました。
東洋と西洋のメロディーが出会う場所マカオに敬意を表して、ここをマカオ・バイオリンの発祥地として選びました。